NSシリーズ

特長

大きなトルク伝達と高い信頼性

歯車構造によるトルク伝達方式は、他の方式に比べて大きなトルクを伝達し、信頼性の高いカップリングです。

 

大きな許容ミスアライメント

平行変位、角度変位、軸方向変位、各々大きな許容値を有し、円滑な運転を保障します。

 

長寿命と安定コスト

他種カップリングのような伝達エレメントの経年劣化や疲労破壊ではなく、適切なメンテナンスにより長い寿命を保障します。また徹底したコスト追及により長期間の安定した価格を維持します。

 

 

用途

・製鉄機械
・プラント
・荷役搬送機(クレーン等)
・製紙機械
・工作機械
・各種ポンプ
・電車駆動
・その他あらゆる分野の一般産業機械

 

ハセックギヤカップリングの基本形式と構成部品

NSS

NSE

NUS

NCC

NCE

 

品番/PARTNO. 品名/PART NAME 材質/MATE
1 スリーブA SLEEVE A S45C(相当)
2 スリーブB SLEEVE B S45C(相当)
3 ハブ HUB S45C(相当)
4 リーマボルト REAMER BOLT SCM435
5 1種ナット NUT S45C
6 バネ座金 SPRING WASHER SWRH
7 ガワブタ SIDE COVER SS400
8 ボルト BOLT
9 バネ座金 SPRING WASHER SWRH
10 O-リング O-RING NBR
11 O-リング O-RING NBR
12 O-リング O-RING NBR
13 オイルプラグ LUBE PLUG SWCH
14 ソリッドフランジ SOLID FLANGE S45C(相当)
15 ユニスリーブ UNI SLEEVE S45C(相当)
 

4つの基本的相対変位に対して円滑な動力伝達をします

平行変位

駆動・従動軸が平行ではあるが、同一線上にない場合です。ギヤカップリングの構造上の許容平行変位量(δ)は、

次項目を参照下さい。

合成変位

駆動・従動軸が交差せず、しかも互いに平行でない場合です。

角度変位

駆動・従動軸線が交差し、同一線上にない場合です。
ギヤカップリングの構造上の許容角度変位量(θ)は、

下記の通りです。
NSS・NSM・NUSは1°30′迄です。NCCは1°迄です。

軸方向変位

駆動・従動軸線が同一線上にあり、軸間距離に移動がある場合です。
許容軸方向変位量はC寸法の±25%です。
(NSS, NUS, NSE, NCC, NCEのみの適用)

 

※上記の値(1°30′、1°)は構造上許しうる値です。稼働時は心出し推奨値以内でのご使用をお願い致します。また、稼働時に変位がある場合は弊社へご相談お願い致します。

ギヤカップリングの使い方

ギヤカップリングの機能をじゅうぶんに発揮させるためには、各種形式を正しく使用していただくことが必要です。駆動・従動軸間のすべての相対変位は、2つの内筒に組合わされた外筒の傾斜となってあらわれます。したがって、原則的に、固定支持された軸受間では、つねに2つの内筒がそれぞれの外筒に自由な状態でかみあっていなくてはなりません。
NSE、NSME、NCEを(6)のように1組だけで使用した場合は、平行変位は許容されません。またNSS、NSM、NUS、NCCを(7)のように中間に軸受なしで2組以上使用した場合は、不安定な状態で運転されることになりますのでさけなければなりません。

注) NSE、NSME、NCEの場合は、(1)もしくは(2)のように、使用します。ただし、(5)の場合は原則的にはさけなければなりませんが、じゅうぶん正確な芯出しを行なった場合には使用可能となります。
注) NSS、NSM、NCCを中間軸で使用する場合は、(3)のように固定支持を設けます。(7)のように使用しますと、中間軸が自由に動いて振れまわりが起こります。
注) NSS、NSM、NCCまたはNUSとNSE、NSME、NCEを中間軸で使用する場合は、(4)のように可傾支持を設けます。
注) (8)のように使用しますと中間軸が傾斜した状態となり振れまわりが起こります。

ギヤカップリングの型番選定

使用する軸径を許容できる型番はどれか!

駆動および従動機の軸径が、許容最大軸径以内である型番を選びます。

 

伝達動力からみてトルクが許容範囲にある型番はどれか!

伝達動力を下記要領で計算して下さい。
①下表より荷重係数(F)を選定します。
ns_series_05_01

 

②次式によりトルクを計算します。
T=9551×P×F×K/N ……(N-m)
T=974×P×F×K/N ……(kgf-m)
T:伝達トルク
P:伝達動力(kw)
F:荷重係数
K:変位係数(グラフより決定)
N:回転数(min-1)
③伝達トルクの値がでましたら、トルクが使用回転数における伝達能力表を超えない型番を選択してください。
ギヤカップリング伝達能力表[1]スタンダード形に適用
ギヤカップリング伝達能力表[2]ハイグレード形に適用
④正転係数  S
正逆回転  S=1.0
一方向回転 S=1.2
カタログ基準トルクに乗じてください。

 

型番別、構造上の許容範囲寸法値

ns_series_05_03

 

※上記の表は構造上許しうる値です。稼働時は心出し推奨値以内でのご使用をお願い致します。また、稼働時に変位がある場合は弊社へご相談お願い致します。

ギヤカップリング組立て順序

1.洗浄
内筒・外筒などの部品をじゅうぶんに洗います。

 

2.O-リングの挿入
O-リングを外筒のシール溝に挿入します。

 

3.内・外筒の軸への挿入
まず外筒を軸に入れ、次に内筒の向きを確認して軸に嵌め込みます。
このとき、O-リングへ傷をつけぬようとくに御注意下さい。

 

4.キーの打込み
キーの面取り部から油洩れする場合がありますので、キーシール剤をじゅうぶん塗ってからキーを打込んで下さい。

 

5.機器の据付け
駆動・従動機を定められた位置に据え付けます。

 

6.芯出し
ダイヤルゲージによる方法はFig.1のとおりダイヤルゲージ固定側の軸を回して調整してください。
芯振れが小さければ小さいほどギャカップリングの寿命ものびますので、芯出しは正確に行なって下さい。

 

7.外筒の組み立て
外筒A、B(または、ソリッドフランジ)のフランジをリーマボルトで締付けます。この際、特にフランジ面のO-リングの挿入を忘れないようにして下さい。

 

8.潤滑剤の注入
注油口からオイルまたはグリースを所定量注入します。特にグリース給脂の場合は内筒、外筒歯面にじゅうぶんグリースを塗布してから組み立て、給油口より所定量まで給脂します。

 

NSSタイプ

NSSタイプ

NSEタイプ

ギヤカップリングの芯出推奨値

一般産業機械における、1800〔min-1〕以下の場合、下記値を参考と致します。

 

ns_series_07_01_r

 

NSE形(延長軸形)の芯出し算出

NSE形:の平行誤差は、下記により計算して下さい。

 

δ=L×0.00087

内筒・ソリフラの最大軸径と型番別抜きタップ寸法表

抜きタップは型番125~355までは御要望によって追加加工致します。SIZE 400以上は下記寸法により加工しております。

潤滑油の注入と推選潤滑剤

潤滑油の注入

注油口はグリースまたはオイルを所定量注入します。(各形番の油量は以降の寸法表に記載してあります。)とくにグリース給脂の場合は、内筒歯面にじゅうぶんグリースを塗布してから組みたて、給油口より所定量まで給脂します。潤滑剤の注入後は、プラグをしっかりしめつけて下さい。
この潤滑剤の注入は、ギヤカップリングの性能を維持する上にきわめて重要な要素の一つです。つまり、潤滑剤が歯の接触面に油膜を形成して、金属面が直接に接触しあうことを防ぎ、歯面の耐摩耗性をあげ、騒音防止、温度上昇の防止、さらにある程度の自動振動の防止の役目を果たします。このように潤滑剤は重要な役目をもっておりますので、適正な製品を御使用して下さい。ギヤカップリングの推奨潤滑剤は下記のとおりです。
なお、潤滑剤はカップリングの使用状況に応じて劣化してきます。適時に交換を行なうことにより、カップリングの寿命をのばすことができます。

 

推奨潤滑剤

メーカー グリース ギヤ油
出光興産 ダフニーエポネックス MP No.1 ダフニー スーパーギヤオイル VG 680
シェル ルブリカンツ ジャパン株式会社 シェル・アルバニア EP グリース No.1 シェル オマラ S2 G VG680
JX日鉱日石エネルギー エピノック グリース AP No.1 ボンノック TS 680
コスモ石油ルブリカンツ コスモ グリース ダイナマックス EP No.1 コスモギヤー MO VG680
エクソンモービル ジャパン モービルグリース XHP 220シリーズ 221 モービルSHCギヤシリーズ VG680
九州ハセック ハセック カップリング 純正グリース  —————
JIS規格 JIS K2220 集中給油用 グリース 4種 1号 JIS K2219 工業用 2種 ISO VG680

グリースは、極圧添加剤入りの、JIS K2220集中給油用グリース4種1号相当グリースをご使用ください。

ギヤ油はJIS K2219工業用2種ISO VG680相当ギヤ油をご使用ください。

注) 高速または特に高・低温の条件で使用される場合はお問合わせ下さい。

 

 

ギヤカップリングの使用温度は、潤滑剤とO-リング材質によって決められます。(使用温度範囲-10℃~80℃)

 

潤滑剤の交換時期

①グリースは1ヶ月後に交換,その後は6ヶ月ごとに交換を行って下さい。
②オイルは1ヶ月後に交換,その後は6ヶ月ごとに交換を行います。
お客様へのお願い(免責)
最大軸径、許容最高回転数に近い御使用の場合、トルク変動が大きい場合、くり返し衝撃のかかる場合、及びクレーン巻きあげ装置等の超低速使用の場合は、幅広い検討が必要となりますので、弊社設計課との打合せを行って御採用願います。
使用条件を弊社が知り得ないお買い上げ品に対しては、上記各状況下での故障又は事故等の責任を免除させていただきます。

ハセックカップリング純正グリース

ギヤカップリングの保守と潤滑管理を容易にする高粘着・強付着性の高性能グリース

 


A) チューブ 65g入

B) 2.5㎏缶・16㎏缶 在庫有り、即納出来ます。

 

ギヤカップリングには純正グリースを

ギヤカップリングは、グリースの選定違いでおこるトラブルが増えています。とくに高負荷を受けている場合は、より高性能で、それに合った特性をもつグリースでなければ、故障の原因となり、ついには装置の休止につながり、大きな損失です。
純正グリースは、さまざまな条件下のギヤカップリングに安心してご使用いただける専用の高性能グリースです。

 

純正グリースの特長

ハセックカップリング純正グリースは、高粘度油と特殊ポリマーとをリチューム石けんでゲル化させ、二硫化モリブデンのほか油性向上剤、極圧剤などを配合したグリースで次のようなすぐれた特性を持っています。

強い付着性 高粘着性のグリースのため、吸着力と付着性に富んでいます。
強い耐水性 撥水性と抗乳化性のため、水中や多湿雰囲気下でグリースの軟化流出が少なくなりました。
強い耐圧・耐摩耗性 二硫化モリブデンの配合と、極圧性などの作用で極圧、衝撃化の潤滑を守ります。
強い耐熱性 使用温度範囲:-15℃~150℃

 

主な性状

 

外観 黒色強粘性バター状
稠度(25℃) 320~340
適点℃ 195以上
銅板腐食(100℃×24Hr) 合格
離油度%(100℃×24Hr) 2.5以下
混和安定度(10万回) 350~370
耐荷重能 ファレックス 2,500lbs
ティムケン 55lbs

寸法及びスペック表

導入事例

【導入事例】をご覧下さい。
また下記のバナーよりお問合せ・カタログ請求を行えます。